中望遠マクロレンズを購入したのを切っ掛けにマクロ撮影にも興味が湧いてきました。
マクロ撮影は生き物を撮影する場合や屋外で植物などを思いっきりクローズアップして肉眼では見えないような世界を映し出せる非常に楽しい撮影です。
しかし被写体を極力アップにする関係で、どうしても被写体がブレやすくなってしまうため、できるだけシャッタースピードを速くして撮影したくなるということで、絞りを開放で撮影したりすることになります。
絞りを開放にすると必然的に被写界深度が浅くなってしまい、狙ったところにピントを合わせるのが難しくなってしまいます。
そのため、せっかくマクロ撮影をしてみたものの、いざ写真を確認してみると「ピントが合っていなかった」などの失敗をしてしまうことがよくあります。
三脚を使用すれば手ブレは防ぐことができますし、動かない被写体であればある程度絞って撮影することもできるのですが、それでも被写界深度が浅いのは変わりがなく、フォーカス合わせはミリ単位での調整が必要になります。
フォーカスリングを少しずつ回しながらシャッターを何枚も切った中から当たりの写真を選ぶという方法もありますが「もう少し効率的にマクロ撮影したい」という時に便利なのがマクロスライダーと呼ばれるアクセサリーです。
マクロスライダーはノブの回転に併せて雲台を少しずつ移動させることできるものでマクロ撮影のための便利ツールです。
今回、LeofotoのマクロスライダーMP-150を購入してマクロ撮影にチャレンジしてみたのでレビューにまとめてみました。
LeofotoのマクロスライダーMP-150
LeofotoマクロフスライダーMP-150基本情報
Photo via:https://leofoto.com/products_detail.php?id=355
MP-150 / MP-150S
● 長さ 208mm(レールは160mm)
● 幅 67mm
● 厚さ 39mm
● 重量 340g / 314g
Leofotoマクロスライダーは二種類あります。
● MP-150:レバークランプ
● MP-150S:スクリューノブ
僕が購入したマクロスライダーはレバークランプタイプですが旧製品で、現行品とは少し違っています。レバークランプがストッパー付きだったり、アルカスイス互換のプレート(NP-50)が含まれていないなどの違いがあります。
レバークランプかスクリューノブか?
「レバークランプタイプかスクリューノブタイプのどちらを選べば良いのか?」というところですが、一長一短があるため一概には決められません。
レバークランプは着脱が素早くできるので人気のシステムですが、カメラごとに異なるプレートやL型プレートなどを使用する場合は、その都度クランプの締付け具合を再調整しなければいけない場合があるかもしれません。特に異なるメーカーのプレートで使用する場合は問題が出やすいと思われます。
アルカスイス互換と言っても「アルカスイスのシステムで使用できる」ということであって、幅や厚みのサイズを各メーカーが完全に揃えているわけではないと思われるので、異なるメーカーの製品を使用するとレバーがキツかったり、逆に緩くてガバガバだったりするような問題が出るだろうと思われます。
この問題は、使用するプレートとクランプのメーカーを統一することで程度避けられるかと思いますが、実際問題で写真用途のプレートの類のものはそこまで精密さを要求されるようなものではないので同じメーカーでも多少の公差は許容範囲にされているでしょうから、同じメーカーの製品を使ったとしても多少の使用感の違いは目をつぶることになるでしょう。
ど完璧を目指すのであれば、複数個購入して相性が良いものだけを使用するなどの荒業しかないように思います。
プレートのサイズの誤差が締め付け具合の違いになって現れるのはレバークランプの欠点であると思われるので、いろいろなプレートを併用されるような人はレバークランプではなく、スクリューノブを選択するのが無難でしょう。
なので、同じ機材の組み合わせで使い続ける人は、着脱の便利さを優先してレバークランプタイプが良いでしょうし、複数のプレートを使い回すような人はスクリューノブタイプを選択した方がストレスが少ないと思います。
重ねて使用すると前後左右で微調整が可能になる
Photo via:https://leofoto.com/products_detail.php?id=355
基本的にはマクロスライダーは一つ有れば十分ですが、応用としてマクロスライダーをクロスして使用することで前後だけでなく左右の微調整もできるようになるいわゆる4Wayマクロスライダーにすることができます。
こうすると見た目的にもなかなかカッコ良くなるので、いつかはやってみたいセットアップですね。
LeofotoのマクロスライダーMP-150レビュー
マクロスライダーの操作方法
クランプ部
マウント部分はアルカスイス互換のレバークランプ方式になっています。現行品であればプレート(NP-50)が付属しているのでそれを使用すれば良いですが、旧バージョンにはプレートは付属していないので別途アルカスイス互換のプレートを準備する必要があります。
アルカスイス互換のプレートを持っていない人はL型プレートを検討してみるのが良いと思います。アルカスイス互換のシステムでのL型プレートだと雲台を動かさなくてもカメラ縦位置横位置を簡単に変更できるようになります。
レバーの根本のマークを見れば判る通りに左から右(●の模様が大きくなる方向)にレバーを倒せばロックされます。右端までしっかりと倒すと「カチッ」と自動ロックが掛かります。
レバー部分にあるスライダーを外側にスライドさせるとロックを解除できます。
クランプの調整
上にも書きましたが、レバー式のクランプを使用した際にプレートが変われば締め付け具合が変わってしまうという問題がありがちです。Leofotoのレバークランプは締め付け具合の調整ができるので、きちんと固定出来ない場合にはレバーの付け根部分の側面にある、六角ネジを回転させることで調整できます。
調整ノブ
プレートの両端に調整用のノブが付いています。それぞれのノブの形状は異なり、一方はローレット加工がされた一般的なツマミ状のノブで、もう一方はレバー式のノブになっていて使用しない時には折りたたむことができます。
プレート自体に前後があるわけではなく、操作しやすい方が手元に来るようにして使用すれば良いと思います。
調整ノブを回転させることで中央のネジが回転して雲台部分を前後に少しずつ動かすことができます。微調整がしやすく、マクロ撮影時のピント合わせが非常に楽になります。
あまり使うことはないと思いますが、マウント部分の側面には固定してノブを回せなくするための小さなレバーもあります。
残念なのはノブを一回転させて動く幅が約1.1mm~1.2mm程度。(8回転くらいで1cmくらい動きます。)ここはこだわって1回展で1mmという精度を出してほしかったところ。僕の用途では必要のないスペックですが、必要としている人はきっといるんじゃないかと思います。
動画
上記の動画ではマクロスライダーの基本的な動作などが確認できます。
セットアップ例
マクロスライダーを使用するだけでもかなりマクロ撮影が捗るのは間違いないですがLeofotoのギア雲台G2と併せて使用することで、マクロ撮影にはこれ以上は無い組み合わせになります。
Leofotoのギア雲台にはG4とG2があります。パット見は同じようなギア雲台ですがそれぞれに特徴が異なり、最適な用途が異なります。
例えば風景撮影などで扱いやすいのはG4だと思いますし、物撮りやマクロ撮影など被写体のフレーム位置が決まっているような時にはG2の方が良いでしょう。
ギア雲台のG2は光軸に近い位置でカメラを回転させるため、ギアを回して角度を調整しても被写体がフレームから外に出ていかないというメリットがあります。マクロ撮影向きなギア雲台なのです。
Leofotoのギア雲台G4とG2については下記の記事でレビューをしていますので参考にしてください。
マクロ写真作例
とりあえず、たまたまテーブルの上にあった花を被写体にマクロ撮影してみました。もう少し活きの良い時に撮影してあげればよかったのですがちょっとシナシナですね(笑)
LeofotoのマクロスライダーのMP-150まとめ
マクロ撮影に初めて調整した時は何も考えずにシャッタースピードが速ければ一杯はしないだろうと手持ちで撮影してみたり、三脚を使用しても「まぁバッチリフォーカスが来てるだろう」なんて適当にシャッターを切ったりしていたわけですが、ワクワクしながら撮影してきた写真を確認した時にメインの場所に全くピントが合っていなかったなんていう失敗を繰り返していました。
少しずつフォーカスリングを回して複数枚撮影をしたりもしていましたが、被写界深度が浅いと複数枚撮影しても欲しいところにピントが合っていなかったりして難しいんですよね。
カメラの背面モニターやビューファインダーで見てピントが合っているように見えても実際は少しズレていたりして「惜しい失敗写真」ばかりを量産していたりしたのでした。
せっかくマクロレンズを購入したので「もう少しちゃんとしたマクロ写真を撮りたいなぁ」ということで見つけたのがLeofotoのマクロスライダーMP-150だったわけですが、さすがはマクロ撮影専用機材だけあって、使ってみると非常にマクロ撮影が便利になり、失敗も劇的に少なくすることができるようになりました。
もちろんマクロスライダーを使用したからと言って、モニターでのフォーカス合わせが簡単になるわけではありませんが「ここかな?」というところに合わせてマクロスライダーで微調整しながら複数枚撮影すれば、だいたい目当てのピントでマクロ写真を撮影することができてマクロ撮影が捗ります。
日常で見慣れた被写体であっても、マクロ写真で見ると非日常的でワクワクするような写真になりますし、天気の悪い日や、外出しなくても写真を思う存分楽しめるのでおすすめです。
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Lefoto(レオフォト)の製品に関する情報は下記にまとめていますので興味のある方は参考にしてみてください。