僕が日頃、写真を撮影する際に使用するレンズはズームレンズではなく主に単焦点レンズを使用しています。
便利なズームレンズではなく単焦点レンズばかりを使用するのは、ズームレンズに比べて単焦点レンズが魅力的だからですが、具体的な単焦点レンズの魅力について書いてみようと思います。
単焦点レンズの特徴
単焦点レンズには大きな特徴は二つあります。
明るさとボケです。
単焦点レンズは明るいレンズ
単焦点レンズはF値がF2.8よりも小さい明るいレンズが多いです。
単焦点レンズのスペックを見ると分りますが、大抵の場合はズームレンズよりもF値が地裁明るいレンズになっています。
F値が小さいと多くの光を取り込めるので、室内や夜間などの光量が充分でない場所でも、速いシャッタースピードで撮影できるため、手持ち撮影ができたり、感度を上げずに済むのでノイズが少なく綺麗な写真が撮影できるという利点があります。
● F値が小さなレンズが多い
● シャッタースピードを上げられるので手持ち撮影ができる
● 感度を上げなくて済むのでノイズの少ない写真が撮影できる
単焦点レンズはボケるレンズ
F値が小さいと暗所に強くなるだけでなく、被写界深度が浅くなるので、いわゆる背景ボケと呼ばれる、背景をボカした写真が撮影しやすくなります。
メインの被写体にピントをしっかりと合わせて、背景をボカすことでメインの被写体を強調するようなボケを活かした写真が撮影できます。
ズームレンズでも背景をボカすことはできますが、単焦点レンズの方がよりボケ具合が大きく、自然で綺麗なボケになるという特等があります。
単焦点レンズの疑問 ズームレンズじゃ駄目なんですか?
単焦点レンズはズームレンズに比べて不便?
単焦点レンズはその名前の通りで、焦点距離が固定になっています。
なのでズームレンズのように、画角を決める時ズームを調整することは出来ません。自らが被写体に近寄ったり離れたりしながら画角を調整する<ことになります。 日頃ズームレンズばかり使用していると、なんとも不便で面倒なものに感じられます。
しかし、自分で動いて画角や構図を調整しながら写真を撮るというのは、考え方いよっては写真を撮る楽しみを倍増させてくれるものですから、一概に面倒かと言われるとそう単純なものではないと思います。
単焦点レンズで写真を撮ればズームレンズで撮るより写真が上達する?
写真を上手に撮影できるようになりたいならズームレンズよりも単焦点レンズで撮影した方が良いという話を聞くことも多いです。
前述したように単焦点レンズの場合はズームレンズのように小手先で画角を決めたりは出来ないため、自分で動いて構図や画角をあれこれ考えながら写真を撮るという作業が必要になります。
つまり、実際に身体を動かして構図を考えて撮るようになりますから、素敵な写真を撮る方法が自然と身に付き、写真が上達するという理屈なのだと思います。
実際問題で僕自身も単焦点レンズで撮影している時はズームレンズを使用している時よりも遥かに構図や画角のことを考えて撮影していると思います。
単焦点レンズはズームレンズに比べて荷物が増える?
単焦点レンズのデメリットで良く言われるのが、好きな画角で写真を撮ろうと思うとレンズ交換の回数が増えるので、レンズの付け替えが面倒だったり、カメラ内部にゴミが入ったりすること、そして持ち歩くレンズの数が増えるなどがあると思います。
本格的に写真に取り込むようになり、それなりにこだわるようになると、一本のレンズでは当然足りなくなりますから、単焦点レンズだけで撮影をしようと考えると、必然的にレンズの数を増やさなくてはいけなくなってしまい、持ち歩く荷物が増えてしまいます。
旅行やアクティビティに出かける際には荷物を減らしたいですから、焦点レンズ一本で割り切って撮影をするか、ズームレンズで撮影してレンズを減らすなどを考えなくてはいけなくなります。
単焦点レンズはズームレンズに比べて安いの?
単焦点レンズは安いという話もよく聞きます。しかし、単焦点レンズの値段を調べても、特に安いというわけではありません。
確かに安いレンズもありますが、それなりのスペックのレンズであればズームレンズ同様にそれなりの値段になっています。
単焦点レンズが安いと言われるのは、単純に価格面だけの話ではなく、レンズの解像感やシャープネス感がズームレンズよりも単焦点レンズの方が性能が高いというところにあります。
同じ値段のズームレンズと単焦点レンズがあった場合、解像感は単焦点レンズの方が出ていることの方が多く、同じ解像感をズームレンズで得ようと思った時、レンズの値段はかなり高くなってしまいます。つまり、単焦点レンズは性能の割に安いというのが正しい表現だと思います。
単焦点レンズのまとめ
単焦点レンズは焦点距離の縛りがあるためズームレンズに比べて不便だったりはするものの、単焦点レンズでしか表現出来ないことや、単焦点レンズならではの改造感やシャープネス感、そして画角を自分の足を使って調整するという撮影の楽しさなどがあります。
それこそが単焦点レンズの魅力であり、多少の面倒さを考えても、単焦点レンズを使いたいと思うようになります。単焦点レンズはズームレンズよりも写真撮影が楽しくなるレンズというわけです
実際問題で僕も単焦点レンズの他にズームレンズを持ってはいますが、日常的な撮影でもっぱら単焦点レンズばかりを使用しているのは、写真を撮る楽しさがズームレンズに比べて大きいというのが一番の理由です
思ったような画角にならなくてイラッとしてしまうこともありますが、撮影しているうちに感覚的に画角が理解できるようになってくると、被写体の大きさや距離感などもつかめるようになり、撮影を繰り返す度に、確実に写真の腕前も上達しているような気がします。
単焦点レンズは必要な焦点距離ごとにレンズを買い揃える必要もあるので出費も嵩んでしまいますが、それ以上の価値はあると思いますし、もし単焦点レンズを使ったことがないのであれば、標準的な焦点距離(フルサイズ換算で50mm:APS-Cだと35mm前後、マイクロフォーサーズで25mm)の単焦点レンズは持っておくことをおすすめします。