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レンズの目盛り(被写界深度目盛り)の読み方

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マニュアルレンズなんかでは、ゴチャゴチャとレンズ本体に目盛りが刻印されていたりします。

この目盛りは「被写界深度目盛り」などと呼ばれて、フォーカスの合う範囲を視覚化したもので、目盛りを元に被写体にフォーカスを合わせたり、無限遠を出したりする際に非常に便利な目盛りです。

個人的には、この目盛りが入っているレンズの方が「Theレンズ!」という感じがして好きなんですが、この目盛りを見た瞬間に「うわ!難しそう。。。」と敬遠してしまう人もいるんじゃないでしょうか。

特に最近のオートフォーカス対応のレンズでは被写界深度目盛りは必要ない場合がほとんどですし、すでに省略されて被写界深度目盛りが入っていないレンズも多いので、被写界深度目盛りを使用しない人や、読めない人も多いと思います。

しかし、被写界深度目盛りを読むのはそれほど難しいものではありませんし、マニュアルレンズを使用する場合には必須でもあるので是非覚えた方が良い知識の一つです。

デジタル時代で不要になった被写界深度目盛り

デジタル時代で不要になった被写界深度目盛り

フィルム時代のアナログで撮影していた時には被写界深度目盛りは必須だったわけですが、デジタルカメラになるとモニターやフォーカスアシスト機能を使用したりで、わざわざ被写界深度目盛りでフォーカスを合わせるということをしなくても良くなりました。

そんなこんなで、デジタルカメラ用のレンズの多くからは被写界深度目盛りがなくなり、マニュアルレンズを使用する人以外は基本的には使用することのないものになってしまったようです。実際問題で被写界深度目盛りが読めなくても困ることも特にありません。

そのせいか、被写界深度目盛りが入ったレンズを使用していても「被写界深度目盛りの読み方が分からない」ので使用していない人も多いと思います。

しかし、被写界深度目盛りが読めれば、フォーカスが合っているかどうかの確認がしづらい時や不安な時には有用なものになりますし、写真の基本として被写界深度の読み方は覚えておくと、より一層写真のことが理解できるようになると思います。

距離と絞りとフォーカスの範囲の関係

距離とフォーカスの合う範囲

距離とフォーカス位置

被写体までの距離が近いと同じ絞りで撮影してもフォーカスの合う範囲は狭くなります。
なのでマクロ撮影など被写体が近い場合は全体にフォーカスを合わせることが難しくなります。

山など遠くの景色のように被写体までの距離が遠ければフォーカスの合う範囲が広くなります。
なので、山の一部だけフォーカスが合うということはなく、山全体がフォーカスが合った状態になります。

絞りとフォーカスの合う範囲

絞りとフォーカス位置

絞りを開放で撮れば被写界深度が薄くなるのでフォーカスの合う範囲が狭くなります。
絞りを絞ると被写界深度が厚くなるので全体的にフォーカスが合ったように見えるようになります。

被写体までの距離と絞りの関係

上記のようなことから、被写体にフォーカスを合わせようと思うと、被写体までの距離と絞りの値を考慮しながらフォーカスを合わせる必要があります。

このあたりをアナログ的に分かりやすく目盛りにしたものが被写界深度目盛りです。被写界深度目盛りを見れば、一目瞭然でどの範囲にフォーカスが合っているかを知ることができます。

極端な話、フォーカスを合わせるだけであれば、ファインダーやモニターを確認しなくても、被写界深度目盛りだけでフォーカスは合わせられるということでもあり、後から確認して「ピンぼけだった」というような失敗がなくなります。

被写界深度目盛りの読み方

基本的情報

基本的情報

被写界深度目盛りの目盛りのデザインや表記方法はレンズ会社それぞれに違うので、なおさら理解しづらい感じもありますが、基本的には同じルールのもとで記されているので、メーカーやデザインが違っても読めないということはないと思います。

ちなみに上記の写真はFUJIFILMのXF16の被写界深度目盛りですが、いずれのレンズも基本的には

● 絞りごとのフォーカスの合う範囲
● 距離目盛り
● 絞り

の表記があります。

距離目盛りの情報

フォーカスの合う距離の情

レンズに記載された距離目盛りの表記部分にはメートルとft(フィート)の情報が併記されています。

ここではメートルを基準に解説していくことにしますが、参照するのはどちらかで構いません。

数字の単位はメートルになっていて「1」を中央にした場合は、カメラの撮像面マークから被写体までの距離が1メートルのあたりでフォーカスが合うということになります。

0.5だと0.5メートルなので、フォーカスの合う被写体までの距離は50cmあたりということになります。

距離目盛りの合わせ方は、被写体までの距離が1メートルであれば、距離目盛りの1を中央に合わせます。無限遠を出したい場合は∞マークを中央に合わせれば良いというわけです。

もちろん、フォーカスが合う距離は距離目盛りを1に合わしてもピンポイントで1メートルのところだけにフォーカスが合うわけではありません。絞りによって被写界深度が変わるので1メートル前後というのが正しいです。

この絞りによって変わる「前後」の範囲を知るために「被写界深度目盛り」を利用することになります。

撮像面マーク

撮像面マーク

カメラのボディの真ん中あたりに必ず記載されている土星のようなマークが撮像面マークと呼ばれていて、センサーがある位置を表します。被写体までの距離は多くの場合はこの撮像面マークからの距離となります。

フォーカスの合う範囲(被写界深度目盛り)

被写界深度目盛り

フォーカスの合う範囲を示す目盛りには細かく数字が刻まれています。この数字は「絞り」と関係します。つまり、8ならF8を表し、16ならF16を表します。

被写界深度目盛り

また、この数字をよくみると、左右対称になっていることに気づくと思います。この左右の同じ数字に挟まれた範囲がフォーカスが合う範囲を示すことになります。

つまり、絞りの数値が大きければフォーカスの合う範囲が広くなり、絞りの数値が小さければフォーカスの合う範囲が狭くなるということを表します。

要するにこの目盛りは被写界深度の深さを表しているというわけです。

そして、この範囲を距離目盛りに照らし合わせることでフォーカスの合う範囲を知ることができます。

被写界深度目盛りの読み方

被写界深度目盛りの読み方

では、実際に被写界深度目盛りを読んでみることにします。

まず、絞りを確認します。上記の写真では絞りはF8になっています。

次にフォーカスの合う範囲の目盛りを確認します。絞りがF8なので左右の8に挟まれた範囲を確認します。この範囲を距離目盛りに当てはめます。ただし、細かく目盛りが振られているわけではないので、ザックリと判断することになります。

そうすると、だいたい2メートルから0.8メートルあたりが8に挟まれた範囲になっていることが判ります。

つまり、このレンズの場合は「絞りF8にして1メートルの被写体にフォーカスが合うように設定すると、フォーカスが合う範囲は2メートルから0.8メートルになる」というわけですね。

どこにフォーカスを合わせたいかを基準に考える

どこにフォーカスを合わせたいかを基準に考える

先の設定では2メートルから0.8メートルにフォーカスが合っている状態で無限遠が出ていません。では、無限遠を出したい場合にはどうしたら良いでしょうか?

無限遠を出したい場合には、上記の画像のように距離目盛りの無限遠マークを被写界深度目盛りの中央に合わせることで無限遠を出すことができます。

ただし、無限遠を中心にした場合、F8ではだいたい4メートル先までの被写体にしかフォーカスが合わないことになってしまい、4メートルよりも手前のものはボケてしまうことになります。

絞りに合わせる

もう少し手前にもフォーカスを合わせたい場合には、無限遠のマークを被写界深度目盛りの8の位置に合わせることで、3メートルくらい手前までもフォーカスが合わせられるようになります。

要するに絞りがF8だと被写界深度目盛りの8に挟まれた範囲はフォーカスが合うので、そのギリギリまで無限遠マークを寄せても無限遠は出たまま手前にもフォーカスを合わせられるというわけです。

もちろん、絞りをF8よりも大きくすればフォーカスの合う範囲は広くなり、手前から遠くまでフォーカスの合ったパンフォーカスにすることもできますし、F8よりも小さくすればフォーカスの合う範囲が狭くなり、ボケを大きくすることもできます。

まとめ

被写界深度目盛りは、要するに日頃モニターやファインダーを見てボケ量を調整したりフォーカスを合わせたりしているような作業を、アナログ的に調整するためのものということになります。

なので、オートフォーカス機能が備わったデジタルカメラではあまり必要性がなくなり、省略されるようになったものではあります。

しかし、マニュアル撮影時やマニュアルレンズを使用する場合には、被写界深度目盛りを参照することで、よりフォーカスに関して確実性を高めることができるようになるものなので、写真撮影の基本として是非身につけておきたい知識というわけですね。

現在の多くのレンズはオートフォーカスが動作するようになっているので、被写界深度目盛りを使用することはあまりないとは思いますが、LAOWAや七工匠(7artisans)、中一光学などの中国のレンズメーカーの多くはマニュアルレンズが基本ですし、なかなか面白いレンズを生産していたりするので、これらのレンズを使用するには被写界深度目盛りは必須になると思います。

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