個人的には中国製品はあまり信用していないし購入することもほとんどありませんが、時々例外として中国製品らしからぬ高品質な製品を作るメーカーが出てきたりします。そんなメーカーの一つが三脚や雲台など写真用の機材を製造するleofoto(レオフォト)です。
僕がLeofotoの製品を購入するようになってからしばらく経ちますが、僕が購入する以前にも身の回りにはLeofotoを使用している周りのカメラマンが何人か居て「価格を考えればなかなか素晴らしい製品を作るメーカー」という感じで概ね高評価でした。
そこで、試しに購入したカーボン三脚が想像以上に高品質だったことから、すっかりお気に入りのメーカーになってしまいました。
そんなわけで僕の使用している三脚や雲台は基本的にleofotoで統一されています。
今現在も、何か必要な写真機材があれば、まずleofotoの製品で該当する機材はないかを確認するようになっているのですが、Leofotoの特徴として異常なペースでの新製品を発表していくスタイルなので、僕が購入し始めた頃に比べるとLeofotoのラインナップもかなり増えている感じです。
現在ではあまりに製品が多く、用途や特徴ごとに細かくジャンルが枝分かれして複雑になっているので、「どのシリーズがどの目的に適しているのか?」ということについて悩むことも多くなってきましたし、相談を受けることも多くなってきました。
そこで、Leofotoの製品についてより深く理解したいという気持ちから、leofotoの三脚や雲台についての基本的な情報をまとめてみようと思います。
なお、本家のサイトを参照してまとめているので、日本国内で取り扱いの無いものもあるかと思いますが。その点はご承知おきの上、情報をご確認いただければ幸いです。
Leofotoの三脚
Leofotoの三脚の品番の基本
Photo via:https://www.leofoto.com/
leofotoの三脚の特徴や仕様は品番からある程度読み取ることができます。
品番の先頭の二文字はシリーズの区分
真ん中の3文字のうち、先の二文字は三脚の脚の最大経のサイズ、右側の一文字は段数
末尾のCの部分は付属品の違いなどを表します。
例えば上記のLS-324Cの場合
LS: レンジャーシリーズ
32: 脚の最大経が32mm
4: 関節が4段
C: 通常モデル
という感じになります。
シリーズとモデル
シリーズ(系列)
LS:レンジャーシリーズ
LSR:レンジャーシリーズ(レバー式)
LM:サミットシリーズ
LQ:Mr.Qシリーズ
LQ:Wings of Godシリーズ
LP:ポセイドンシリーズ
LA:Ahtenaンシリーズ
LO:Mr.Oシリーズ
LX:アーバンシリーズ
LN:マウンテンシリーズ / アーマーシリーズ / ハイカーシリーズ
LV:ビデオ三脚シリーズ
LVM:ビデオ三脚シリーズ
LVC:ツインレッグ三脚シリーズ
モデル
C:通常モデル
CL:長脚モデル
CVL:水平ポール サイドアーム付き
CEX:水平レベラー付き
CM:軍用規格
CT:センターポール付き
CH:センターポールを取り外せる機構
Ranger Series レンジャーシリーズ
Photo via:https://www.leofoto.com/
レンジャーシリーズは、Leofotoのラインナップの中では、最もスタンダードで中心的な三脚で、品番の頭に「LS」が付きます。
「センターポールレス」に割り切った三脚で、「軽量さ」と「スリムさ」が最大の特徴です。
一般的なセンターポールを備えた三脚と比べると、伸縮時の径が小さくて場所を取らないので、バッグやケースの中に収納しやすく、携行性の高い三脚です。
Leofotoのヒット商品でもあり、今では中国の三脚メーカーの多くが同様のデザインの三脚を主力商品にするなどで、Leofotoに限らず、世の中の三脚の中でも、最もスタンダードなデザインの三脚にもなっています。
レンジャーシリーズの各モデル詳細については下記ページをご確認ください。
Ranger Series Leveling Base レンジャーシリーズ レベリングベース
レンジャーシリーズと基本的な機能は同じで、センターポールを省いたスリムな三脚です。
通常のレンジャーシリーズとの違いは、アペックス部分がレベリングベースになっていることで、自由雲台無しでも水平出しが簡単に行えます。
なるべく荷物を軽量化したい場合などに重宝する三脚です。
品番の頭に「LS」、最後部に「CEX」が付きます。
Rapid Rager Series / ラピッドレンジャーシリーズ
レンジャーシリーズの機能を基本にして、脚の固定をレバー式にした三脚です。
レバー式にすることで、素早い伸縮が可能になっています。
Summit Series サミットシリーズ
Photo via:https://www.leofoto.com/
アペックス部分を「ハーフボウルレベラー」や「エレベーター(センターポール)」に対応させられる「モジュラー式三脚」です。
サミットシリーズの品番の頭には「LM」が付きます。
マウント部分のパーツを、付属のハーフボールアダプターやセンターポール付属アダプターに交換できるので、用途に応じて三脚を使い分けることができるようになります。
いわゆる「GITZO」の「システマティックタイプの三脚」です。
サミットシリーズの各モデル詳細については下記ページをご確認ください。
Rapid Summit Series / ラピッドサミットシリーズ
サミットシリーズの脚の固定をレバー式にしたシリーズです。
サミットシリーズでは最も使い勝手が良いと思われる364Cのみレバー化されています。
Mr.Qシリーズ
Photo via:https://leofoto.com/products_detail.php?id=417
Leofotoが2020年に発表した新しいフラッグシップモデル。
アペックス部分が交換できるモジュール式のシステマティック三脚でありながら、スリム化を実現した新しいタイプの三脚です。
アペックス部分の形状が「Q」の形に似ていることから「Mr.Q」と名付けられたようで、製品番号には「LQ」が付けられています。
海外で先に発表された際に、カーボン柄がRSSの三脚と似ていたため、ちょっとした話題となりました。
Leofotoの製品の多くがRSSの製品と似ているデザインであったことに加えて、RSSの三脚のアイデンティティとも言えた独特なカーボン柄が採用されたことで、RSSの製品の愛好家などから批判的な意見が効かれました。
そんなこともあってか、日本国内でMr.Qシリーズが発売になった際には、別の柄のカーボンが採用されることとなりました。
ただ、見た目だけではなく、三脚ではあまり使用されることのない6061-T6などの剛性の高いアルミが使用されるなど、Leofotoとしては、デザイン、性能ともにかなり力を入れたハイスペックな三脚でもあります。
Mr.Oシリーズ
Mr.Qシリーズの派生版として登場したMr.Oシリーズ。
MR.Qシリーズとの違いは、センターポールが備わっているトラベラータイプであること。
そしてその最大の特等は、アペックス部分に自由度の高いボールが備わっていて、自由にアングルが調整できるというもの。
センターポールが備わった三脚の弱点をカバーするこの機構はLeofotoならではの新しい三脚です。
Poseidon ポセイドンシリーズ
Photo via:https://leofoto.com/list.php?cateid=153
Leofotoの防水三脚として2021年に発表された新しい三脚。
品番の頭には「LP」が付きます。
神話の海と地震を司る神の名前を採用した通りで、スパイク部分にチタンを採用したり、防水、防砂仕様など、海での仕様を考慮した仕様の三脚です。
イメージ的には防水性能があるように思えますが、内部に水が入りづらい構造ではあるものの、防水仕様ではないので注意が必要です。
Athena アテナシリーズ
Leofotoの防水三脚として2021年に発表された新しい三脚。
品番の頭には「LA」が付きます。
基本的な仕様はポセイドンシリーズと同じで、カラーバリエーション的なものだと思います。
ポセイドンシリーズと同様にパイク部分にチタンを採用したり、防水、防砂仕様など、海での仕様を想定していますが、赤い三脚ということで、星空などの撮影をする方々に向けたもののようにも思います。
もしくは、Leofotoは中国のメーカーなので、単純に「赤色が好き」というところで、中国国内のマーケットを期待してのものかもしれません。
Wings of god series ウイングス オブ ゴッド シリーズ
Mr.QシリーズとPoseidonシリーズの良いとこ取りをしたような三脚で、コンパクトなサイズのシステマチック三脚と防水防砂機能を備えたロックナット、チタンスパイクなどの特徴があります。
品番の頭には「LG」が付きます。
また、カーボン三脚としては珍しい真っ黒な塗装と神々しいシルバーの塗装で、否応なしに注目を浴びてしまうような三脚です。
特別なカラーの三脚のため、基本的には、同色で塗装された雲台(LH-40R)とセットで販売されています。
Mr.Y シリーズ
カラフルで細身の三脚でライトユーザー層を狙ったと思われる携行製の高い三脚です。
Y型のセンターポールを採用した三脚で、センターポール有りの三脚でありながら、直径56cmというコンパクトさを実現しています。
またセンターポールのロックの方式も独特で、RRSのASCENDからヒントを得たような感じがあります。
Urban Series アーバンシリーズ
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トラベラー三脚と言われるタイプの三脚で、コンパクトに折りたたみできて、かつセンターポールが備わった三脚です。
全シリーズで折りたたみ時の長さが485mm以下ということで、機内持ち込みできるスーツケースに収まるサイズに留められているのが特徴です。
昔から写真を撮っている人にとっては一番馴染みのあるタイプの三脚だと思いますが、今現在ではレンジャーシリーズのような、もっとコンパクトに収納できる三脚が一般化したため、少し旧式な感じのする三脚でもあります。
アーバンシリーズの三脚の品番の頭には「LX」が付きます。
少し旧式な感じのする三脚ではありますが、定番中の定番とも言えるものなので、状況や用途を選ばず使用できるオールラウンダーなモデルと思えば良いでしょう。
Armor Series アーマーシリーズ
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Leofoto 第二期にあった三脚で、アーバンシリーズの進化版的な三脚でしたが、現在はカタログ落ちしています。
品番にはマウンテンシリーズと同じ「LN」が付いていました。
三脚のうちの一本が取り外しできて、一脚として使えるような仕様になっていました。
Mountain Series マウンテンシリーズ
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サミットシリーズと同じ、システマティック三脚です。
第二期あたりのレオフォトの製品の特徴である茶色や赤のパーツが使用されている三脚で、スペック的にはサミットシリーズよりも耐荷重が大きいなど、ハイエンド三脚でもありまs.
サミットシリーズが登場したことで、実質役割を終えた感じもありましたが、継続して発売されています。
品番には「LN」が付きます。
LN-404Cは、直径40mmの極太三脚で1800mmという高さがありながら耐荷重50kgという強烈な強度を誇るLeofoto最大級の三脚です。
Hiker Series ハイカーシリーズ
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Leofoto 第二期にあった三脚で、マウンテンシリーズと同じ三脚を踏襲しつつ、センターポールを取り外しできる機構になっていた三脚です。
品番にはマウンテンシリーズと同じ「LN」が付いていました。
三脚用アクセサリー
Leofotoは三脚をカスタムするためのアクセサリーも充実していてるのでその一部を紹介します。
センターポール
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レンジャーシリーズなどセンターポールの無い三脚の高さを補うためにセンターポールが別売で用意されていて20cm~32cmの延長ができるようになります。
DC-404Cはストッパー付きでサミットシリーズ、マウンテンシリーズ、ハイカーシリーズなどでセンターポールとして使用できるポールです。
● DC-222C 耐荷重量 8kg
● DC-252C 耐荷重量 12kg
● DC-282C 耐荷重量 16kg
● DC-322C 耐荷重量 20kg
● GC-364C LM-36シリーズ用ギアセンターポール
● DC-404C
● GC404C LM40シリーズ用ギアセンターポール
石突き
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用途やシチュエーションに応じた様々な形状の石突きがあります。
● SC-80 / SC-50: サクションカップ
● TFS:ボールタイプの脚長石突きで。
● TFC:王冠のような形状の金属製石突
カップとベース
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サミットシリーズ、マウンテンシリーズ、ハイカーシリーズなどで使用できるマウント部分のカップとベースです。基本的には三脚購入時に含まれているものになると思います。
● B-100 B-75 B-60:ハーフボウルレベラーを使用するためのカップ。75mmがスタンダードサイズ。
● BA-100:1/4"スクリュー突きのマウントベース
テーブル三脚・ミニ三脚
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Leofotoのミニ三脚はコンパクトながら高剛性というだけでなくデザインも良く、レビューなどを見てもとても評価が高いです。
特におすすめなのはMT-03でミニ三脚ながら脚は折りたたみ式になっていて、様々な形に変形させられるのが特徴のミニ三脚でLeofotoと言えばこのMT-03と思えるくらいの代表的なテーブル三脚です。
僕自身もこの三脚を持っていますが、質感や使い勝手などかなり満足度の高い三脚です。
● MT-03 最大高 186mm / 収納時 145mm / 耐荷重量 3kg
● MT-02 耐荷重量 5kg
● MT-01 耐荷重量 6kg
自由雲台をセットにすると使い勝手がさらにアップします。
テーブル三脚にはコンパクトな下記の雲台がおすすめです。
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