コンパクトデジカメから、いわゆる高級ミラーレスと呼ばれるFujifilmのX-T2に買い替えて気が付いたのは、全てオートで撮影するのであれば、一眼カメラにこだわる必要はほとんどなく、コンパクトデジカメで充分だということ。
折角一眼カメラを買ったのであれば、絞りやシャッタースピード、ISO感度などを駆使して、記録としての撮影ではなく、いろいろな表現を盛り込んだ作品としての写真を撮った方が良いと思うようになりました。
カメラを使用し始めた当初は絞りやシャッタースピードなどの兼ね合いも全く分らなかった僕ですが、それぞれの設定の基本を学んで、なんとなく設定の違いによって撮影できる写真の違いも理解出来るようになったので、最近はそれらを意識しつつ撮影をするように心掛けています。
何度か撮影を繰り返していると、マニュアルで手持ち撮影する際には、なんとなく設定を決める手順のようなものがあることに気が付いたので、マニュアルでの手持ち撮影の手順をメモ代わりにまとめておこうと思います。
シャッタースピードを考える
手ブレするか手ブレしないかでシャッタースピードを調整する
まずは手持ち撮影か、手持ち撮影じゃないかでシャッタースピードを考えます。
手持ちの場合は手ブレを最も注意しなければいけないので、標準レンズを使用していて手ブレしづらくなると言われる1/30秒以上のシャッタースピードは最低でも確保する必要があります。より確実に手ブレを防ぐのであれば1/125秒以上が目安になるようです。
ちなみに日中晴天の屋外の場合は1/30秒、曇天や室内の場合は1/60秒などが1つの目安ですが、焦点距離が長いほど手ブレしやすくなるので、使用するレンズに合わせてそれぞれ設定する必要があります。
また絞りによってもシャッタースピードが変わるので、手持ち撮影の場合は、手ブレしないシャッタースピードを基準にして諸々を設定していくことになると思います。
被写体ブレをさせるか静止させるかでシャッタースピードを調整する
被写体ブレさせることでスピード感や動きを表現できたりするので、ブレさせるかどうかでシャッタースピードを考えます。
被写体ブレをさせようとすると、必然的にシャッタースピードは遅くすることになるので、手ブレしてしまうくらいのシャッタースピードになることも多く、そのような場合は三脚を使用するなどでカメラを固定した状態で撮影するようになります。
絞りを考える
背景をボケさせるかボケさせないかで絞りを調整する
絞りは日中晴天の屋外の場合でF8、曇天や室内の場合はF4あたりが基本的な数値となりそうですが、背景をボケさせるかボケさせないかで設定を変更することになります。
絞りを小さくすると被写界深度が浅くなるので背景がボケます。背景がボケて良い場合はピントの合う範囲を確認しつつ絞りを調整し、ボケさせたくない場合は絞りを大きくしてパンフォーカスになるように調整します。
シャッタースピードが遅くなり過ぎたらISO感度で調整する
しかし、絞りを大きくするとシャッタースピードが遅くなるため、シャッタースピードが遅くなり過ぎた場合は、ISO感度を上げてシャッタースピードを手ブレしない範囲で保ったまま、全体にピントがあったような背景のボケない写真を撮ることができます。
一昔前まではISO感度を上げるとノイズが酷くなるため、ISO感度での調整はあまり推奨ではなかったようですが、最近は常用ISO感度も相当高くなっているので活用しないでどうするんだという感じでしょう。
もちろん手持ち撮影でない場合は感度を上げるようりも三脚などを使用してシャッタースピードを遅くして調整した方が画質的には良くなります。
写真を手持ちマニュアルで撮る際の基本手順まとめ
写真の撮り方の手順は、何をどう表現するのか、何を優先するのかによっていろいろなパターンが出てくるので、上記の手順が絶対というわけではありませんが、手持ち撮影の場合は手ブレするか手ブレしないかを中心に考えて、各々の設定を決定していけば良いのではと思います。