Leofotoの三脚の中で最高峰の意味を持つサミットシリーズ(LM系列)の中で最も太い脚を持つLM-40シリーズであるLM-404Cを購入しました。
Leofoto システマチックカーボン三脚LM-404C
Leofotoの三脚の最高峰サミットシリーズ(LM系列)
Leofotoのサミットシリーズは、一般的に言われるシステマチック三脚で、エイペックス部分(天頂)を入れ替えることができるようなシステムになっていて、通常のフラットベースマウントや、センターポール、ハーフボウルレベリングベースなど、用途に応じて拡張できる三脚です。
ちなみにLeofotoのシステマチック三脚のサミットシリーズは下記のようなラインナップになっています。(2020年8月現在)
サミットシリーズ(LM系列)
(最大高 / 耐荷重量 / 収納高)
● LM-323C 1400mm 25kg 610mm
● LM-324C 1450mm 25kg 520mm
● LM-324CL 2020mm 25kg 678mm● LM-362C 370mm 45kg 270mm
● LM-363C 1350mm 35kg 595mm
● LM-364C 1450mm 30kg 530mm
● LM-365C 1540mm 25kg 490mm● LM-402C 450mm 50kg 298mm
● LM-404C 1780mm 40kg 630mm
● LM-405C 1656mm 40kg 530mm
LM-404Cはパイプ径40mm、伸長1780mm、耐荷重量40kgというスペックです。
脚長三脚LM-324CLに最も背の高い三脚の座は譲ることになりましたが、総合的にはLeofotoの中では最も大型の三脚になります。
LM-404C基本スペック
● 伸長:1780mm
● 収納高:630mm
● 最低高:115mm
● エイペックス径:100mm
● 段数:4
● パイプ径:40mm / 36mm / 32mm / 28mm
● 耐荷重量:40kg
● 重量:2.5kg
付属品
● ビデオボウル
● 三脚バッグ
● スパイク石突
● アーレンキー
価格
Leofotoの三脚は、他メーカーと比べると価格と性能のバランスが良く、格安な印象がありますが、LMシリーズはそんなLeofotoの製品の中でもトップブランドと肩を並べてしまうくらい高価な価格が付けられています。
LM-404Cの国内定価は110,000円。実売で90,000円(税抜)程度になっています。
国内価格に比べて安いと言われている海外価格でも679ドルで、税込みで考えると80,000円程度になり、いわゆる高級三脚と呼ばれる価格帯になります。これくらいの価格になると気軽に購入できる価格ではありませんね。
もちろん40mmの極太な脚を備えた大型三脚でそこそこの性能なのでそれなりの価格になってしまうのは仕方ないかもしれません。
LM-36シリーズとの比較
LM40シリーズは同じサミットシリーズでもLM-36/LM-32シリーズと比べると一回り大きな三脚です。違いがある部分は頂点部分のエイペックスの大きさです。
LM-40シリーズは直径100mmですがLM-36/LM-32シリーズは75mmになっています。
このため、対応するハーフボウルレベリングベースやセンターポールなどは、それぞれのサイズに適合した製品を選択する必要があります。
● LM-40シリーズ 100mm
● LM-36シリーズ/LM-32シリーズ 75mm
サミットシリーズのこのエイペックス部分が着脱できるシステマティック三脚になっているのが特徴です。開脚角度など、その他の部分の仕様に関してはレンジャーシリーズなどと共通です。
基本的な機能についてはLeofotoのホームページで写真とともに分かりやすく解説されているので、そちらをご確認いただくのが良いと思いますので、このレビューでは省かせていただいています。
ちなみに、LM-365Cについては下記の記事でレビューをしていますので興味のある方は参考にしてください。
Leofoto LM-404Cレビュー
安定感に不安あり
極太三脚なのにいきなり元も子もないレビューから始まってしまいますが、安定感に関して疑問符が出ている感じです。
Leofoto LM-404Cで特筆すべき点は、やはり40mm径の極太な脚になります。極太三脚というところで抜群の安定感を期待したいところですが、大型三脚の割に軽量ということもが影響しているのか、重量バランスが上になるような感じで安定感を欠いているような感じがしています。
華奢なエイペックス
ProMediaGear、GITZO、Leofotoの40mmオーバーの脚を持つ三脚を並べてみました。
他の二つのメーカーの三脚に対して、Leofotoの三脚のエイペックス部分は少し華奢な印象です。
3つの三脚を上から見ると、小型軽量化を目指したであろうLeofotoのエイペックスの形状だけが他の二つとは異なっています。ProMediaGearとGITZOはエイペックス部分が三角の形状になっています。
エイペックス部分を三角の形状にすrことでエイペックス全体と脚が固定されているようなガッチリした感じですが、Leofotoのエイペックスは円形に近く、エイペックスと脚はポイントで固定されているような感じです。このあたりの形状の違いが剛性の違いとなっているのかもしれません。
Photo via:https://leofoto.com/products_detail.php?id=174
LM-404Cの旧モデルとも言うべきマウンテンシリーズ(LN系列)のLN-404Cなどのエイペックスの形状は三角形をベースとしているようです。スペック的にもサイズはほぼ同じなのに耐荷重重量は50kgでLM-404Cよりも大きいことから、やはりエイペックスの形状は剛性に影響がありそうです。
大きめの石突
Photo via:https://dc.watch.impress.co.jp/img/dcw/docs/1129/684/html/019_o.jpg.html
大きめの石突も安定感に影響を与えているような気がします。
デジカメウォッチの記事ではLoeofotoの石突は他のメーカーに比べて金属部分が大きい(上の写真参照)ので重い機材を載せた際の微妙な構図の変化がないということが自慢されているのですが、それでもやはり重量が掛かると石突が変形することで三脚が動いてしまう感じです。
対応策
マクロ撮影や望遠レンズでの撮影時などブレがシビアに影響をする撮影の場合は気になると思われるので、対応策としてウェイトをぶら下げるなどで重心を下げて安定させるなどが必要になると思います。
フラットベースの裏側には大きめのウェイトフックが備わっているので、バッグなどが提げられるようになっています。ここにしっかりと重量を載せることで揺れはかなり解消されることになると思います。
とは言え極太の三脚なので通常の三脚よりは基本的な部分では安定しているので普通の撮影ではあまり気になる部分ではなかもしれません。
システマティック三脚
マウント部分はフラットベースマウントが装備されていますが、ハーフボウルレベリングベースに対応するためのビデオボウルや、センタポールなどに入れ替えることができます。
100mmハーフボウル対応のアダプターが付属
ハーフボウルレベリングベースを使用するためのビデオボウルアダプターが付属しています。
他のメーカーではアダプターは別途購入するのが普通だと思うので、こういう付属品は有り難いですね。ハーフボウルレベリングベースは別途購入する必要があります。
アダプターの交換方法
アダプターの交換方法はGITZOなどの他のメーカーのシステマチック三脚と同じです。
ギアセンターポールなどへ拡張可能
上記はLeofotoのギアセンターポールGC-404Cを取り付けた状態です。このように用途に応じて三脚自体を拡張させることができるのがシステマティック三脚の良いところです。
3/8インチ拡張ネジ
エイペックスのサイド部分には3/8"の拡張用のネジ穴があります。
マジックアームなどを取り付けて照明機材などを取り付ける際に便利です。
雲台との組み合わせ例
LH-55
フラットベースが100mmもあるので、Leofotoの最も大きな自由雲台LH-55でもこんな感じでマウント部分の方が大きくなります。
LM-404Cのような極太三脚に乗せるカメラは基本的に大きなカメラになるので、組み合わせとしては大きなカメラとレンズの組み合わせでもガッチリと固定できるこのLH-55がベストの組み合わせになるように思います。
ギア雲台 G4
Leofotoのギア雲台G4との組み合わせです。G4はLeofotoのその他の雲台(LH-40、G2など)での基本サイズになるベース径60mmの雲台です。
LH-55よりも小さくなってしまうので三脚の上に乗っかている感が強くなります。それでも見た目のバランスが悪いというほどではないので許容範囲だと思います。これ以上小さな雲台の場合はアンバランスになるでしょうし、実際問題で小さな雲台用の三脚としてはオーバースペックになってしまうので、三脚自体も小さいものを選択するのが良いでしょう。
脚
パイプ径は40mm/36mm/32mm/28mmとなっていて、最も細い脚でも28mmなので、重たい機材を載せた時にも折れてしまうんじゃないかというような不安はありません。
また脚の伸縮に関してはロックナットを緩めると、自重でゆっくりと伸びる程度の程よい摩擦感になっています。
スパイク石突
スパイク石突もLeofotoのその他の三脚と同様に付属しています。
Leofotoシステマティック三脚LM-404Cまとめ
Leofoto LM-404Cの最大の特徴は40mmの極太な脚と最大伸長178mmという大型三脚というところになると思います。大型三脚らしく他の三脚を圧倒してしまうくらいの存在感があり、しっかりとした三脚が欲しい場合には購入候補に入れても良いようなスペックです。
またシステマティック三脚なので、用途に応じて三脚を拡張することでより便利に使用することができるので、一つはしっかりとした三脚を持っておきたいという場合にはオススメできる三脚でもあると思います。
ただ、この三脚を購入している僕が言うのも変な話ですが、10万円近い価格を考えるとGITZOなどの他の三脚も考えられる価格になるというところが難しいところですね。
あと数万円出せば似たようなスペックのGITZO5型4段のGT5543XLSにも手が届くようになるわけですから多くの人がGITZOを選択するのではないかと思います。
三脚の評価も比較対象が価格的にGITZOになってしまうので、厳しい感じになってしまうのもしょうがないのかな。7万円くらいだとお得感はあるんだと思いますけどね。
極太激安三脚の存在も
メーカーにこだわらなくて、とりあえず安くて太い三脚が欲しいのであればAmazonなどで販売されているARTCISEやINNORELの三脚が40mm径で35,000円を切るような価格で売られていて第一候補になるかと思います。
そんなわけで仮にLeofotoのLM-404Cが7万円で売られていたとしても結局は高価な三脚になってしまいます。
上にはGITZOやRRS、下にはARTCISEやINNORELがいて、ポジションがどっちつかずになってしまっている感じがして、このクラスでの展開は厳しい感じですね。
ちなみにこのARTCISEやINNOLELはデザイン的にLeofotoの三脚と似ていたりするのも興味深いところです。
Leofotoの三脚は32mm径以下がおすすめ
僕自身はLeofotoのフラッグシップ的な三脚になるので興味もあって購入しましたが、太い脚の三脚になってくると「格安」というLeofotoの最大のメリットもなくなってきます。
そのため、Leofotoの三脚を購入するのであれば32mm以下のLS-323Cなどを選択するのが良い、というのが今回LM-404Cを購入してみて得た答えになります。
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Lefoto(レオフォト)の製品に関する情報は下記にまとめていますので興味のある方は参考にしてみてください。