RaspberryPiのカメラモジュールをレンズ交換式にしていろいろな写真や動画を撮れるようにしてしまうという超広角VR220カメラモジュールというキットがなかなか楽しそうなので紹介してみます。
RaspberryPiとは
Image via:https://www.facebook.com/raspberrypi
RaspberryPiの超広角VR220カメラモジュールの紹介の前に、まずはRaspberryPi(ラズベリーパイ)とは何ぞやについて解説しておきます。
RaspberryPiはイギリスのラズベリー財団が開発した小型のシングルボードマザーコンピューターです。
もともとは発展途上国などの学校でもコンピューターが扱えるようにと開発されたものですが、価格が安い点やモジュールと呼ばれるパーツを組み合わせることでいろいろな機能を追加することができるので、学校だけではなく企業などの製品開発のプロトタイプや実験などでも多く使用されています。
RaspberryPiが一体どんなものなのかは下記の記事で分かりやすく書かれているので、読めばRaspberryPiで何ができるかがザックリと理解いただけるかと思います。
自作でIoTしよう! 超小型PC「Raspberry Pi=ラズパイ」 の魅力とは?|価格.comマガジン
全世界で売れているのはもちろん、日本でもポピュラーな存在になっていて、ショッピングモールの夏休みの子供向けイベントなどでも「RaspberryPiを使ってロボットを作ろう!」などの企画がされていたりするくらいの、知る人ぞ知る存在になっています。
プログラミングも関わってくるので理系ではない人にとっては多少とっつきが悪い感じもしますが、ネットで検索すればRaspberryPiの基本から解説してくれている情報などもたくさん見つけることができまるため、初心者でも何らかのロボットやサンプル的なレベルのものであればパーツを寄せ集めるだけでも作ってみることもできそうです。
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラ
RaspberryPiのモジュール
RaspberryPiのモジュールの中には写真や動画が撮影できるものもあります。
Raspberry Pi カメラモジュール(Raspberry Pi Camera V2)がその代表的なモジュールです。
このカメラモジュールををRaspberryPi本体に接続することでカメラとして動作させることが出来るようになりますが、カメラモジュールには小さなレンズが埋め込まれているだけなので痒いところに手が届かない感じもあるわけです。
例えば、Raspberry Pi カメラモジュールの画角は固定です。
しかし実際に使ってみると「もう少し広い視野があればよいのに」とか「被写体をアップで撮りたい」などと思うことも少なからずあり、不便を感じてしまいます。
カメラモジュールに関するそんなもどかしい悩みを解決してくれるのが「DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラ」と呼ばれるカメラモジュールなのです。
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラ
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラは上記のRaspberry PiカメラV2を改造M12と呼ばれるレンズの着脱を出来るようにしたカメラモジュールです。
上記の写真では既に組み立てられた状態のカメラモジュールですが、組み立てを自分自身で行える完全DIYな「DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角レンズ改造キット(RP-MK1)」もあります。価格がだいぶ違うので分解などが得意な人は改造キットを選択するのも組み立てを楽しめて一石二鳥かもしれません。
220度の広角レンズ
Image via:https://jp.rs-online.com/web/p/video-modules/1633895/
さて、このDesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラには、商品名からも判るように、視野角が220度の魚眼レンズが最初から付けられています。
一般的な魚眼レンズは180度くらいだと思うのですが、それを遥かに超える220度というわけで、眼の前どころかカメラよりも後ろまで映せるようになっているのです。
流行りの360度カメラなどにも超広角なレンズが採用されていますから、このカメラモジュールを前後に配置すると360度写真や動画なども撮れそうです。
レンズ交換式
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラの最大の特徴はそのレンズを交換できるところにあります。
M12のレンズは軸部分にスレッドが切られたネジ込み式のレンズなので、M12/P0.5という規格のレンズであれば取り付け取り外しが出来てしまうの、別の画角のレンズを探して取り付けることができます。
要するにRaspberryPiのカメラモジュールをボードカメラのように扱えるのです。
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラのレンズ交換方法
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラのレンズ交換は工具無しで簡単に出来ますが、一応レンズの交換方法を解説しておきます。
M12レンズを準備
まずは交換用のM12/P0.5の規格のレンズを入手します。
RaspberryPiの日本総代理店のRSコンポーネンツでも交換用のレンズが購入できますし、M12/P0.5レンズなどのワードで検索すればいろいろなタイプのレンズが沢山見つかります。
M12レンズというのはM12/P0.5という一つの規格でレンズの軸部分の直径が12mm、ネジ式のネジなのでネジのピッチが0.5mmのレンズで、産業用途でよく使われるボードカメラなどで取り付けられるレンズのほとんどはこのM12/P0.5の規格になっていて、おもちゃのような値段で購入出来ます
実はGoProなどのアクションカメラなどで使われているレンズの多くもM12規格です。
なので僕は要らなくなったアクションカメラのレンズを取り外したものを使用したいと思います。
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラのレンズを外す
M12/P0.5の規格のレンズはネジ式ですからレンズを指でつまんで反時計回りに回せばレンズが回転して外れます。
レンズを外すとこんな感じになります。
センサーがむき出しになるので、あまり埃っぽいところでは交換作業はしない方が良いとは思いますが、一眼レフカメラなどのレンズを交換する際にもセンサーはむき出しになるのであまり気にしなくて神経質にならなくても良いかもしれません。
新しいレンズを取り付ける
新しいレンズをDesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラに取り付けます。
レンズを取り外した時とは逆の手順で取り付ければOKです。
ピント調整
レンズを交換した場合はピント調整が必要になります。
カメラをRaspberryPi本体に接続してモニター出力して確認しながら調整します。
レンズ選びのヒント
レンズはセンサーの大きさに適したものを使用します。
レンズのスペックを見ると適用センサーサイズが書かれていますから購入前に確認してください。
レンズの適用サイズよりもセンサーサイズの方が大きいと四隅がケラてしまうなど意図しない写りになることがあります。
まぁラズベリーパイカメラのセンサーは1/4″サイズなので、アクションカメラ用などの1/2.3"センサー用のレンズであれば基本的にケラれることはないと思います。
DesignSpark ラズベリーパイカメラ 広角VR220カメラまとめ
通常のカメラモジュールだけでもなんとかなると言えばなりますが、レンズ交換を出来るか出来ないかではその汎用性に大きな差が出ると思います。
例えば広角なレンズであれば360度カメラを作ることもできそうですし、全方位確認したい場合も複数のカメラを使用する必要がなくなります。ライブカメラなんかも広範囲で撮影出来た方が全体の様子が分かりますからね。
逆に望遠レンズを取り付けてみてピンポイントで確認できるようにして、二台のカメラを使用して広角と望遠を切り替えられるようにしても面白そうです。
パッと思いつくだけでもやってみたいことがいくつか出てくるので、アイディア次第でいろいろと楽しめそうです。
カメラ本体やレンズの情報はRSコンポーネンツのページで確認してください。