撮り溜めた写真はHDDなどに保管しますが、バックアップのことを考えるとオンラインストレージにも保管しておきたいと考えています。しかしRAWで撮影しているような人にとっては、普通のフォトストレージでは保存できないなどの問題が出てきます。
オンラインストレージで保管しようと考えてもRAWファイルに対応していなかったり、jpgなどに比べるとRAWファイルはとても容量が大きいのでストレージの容量の消費が激しくストレージの料金に悩まされたりするのです。
そんな中でAmazon PhotosはRAWファイルも容量無制限で保管できるのでRAWで撮影する人にとっては、フォトストレージはAmazon Photos一択と思えるほど非常に有り難い存在になっています。
RAWファイルについて
後から補正することが前提のフォーマット
RAWとは後から色補正や明るさなどを調整することを前提としたフォーマットです。後から自分が好きなようにコントラストや色味を調整することができる(現像)ので、カメラのデフォルトの設定とは違った雰囲気の写真に仕上げることができます。
記念撮影やスナップ撮影レベルであればRAWファイルである必要性はほとんど無いと思いますが、プロカメラマンなどであればRAWで撮影して後から調整するというのは半ば当たり前かと思います。
RAWファイルについての詳しい情報はカメラメーカーのページでも解説されているので下記の参考リンクを参照してください。
参考 RAWファイル現像・フォトレタッチとは?|フジフィルム
補正の自由度が高い反面ファイル容量が大きい
RAWファイルはカメラ側で画像処理をして書き出されるJPGやTIFFなどの写真と比較すると補正の自由度がとても高いので後から補正したりすることを前提とするのであれば絶対的にRAWで撮影した方が良いということになります。
「だったら最初からRAWで撮影してしまえば良いのでは?」ということになりますが、補正の自由度が高いということは、それだけファイルとしての情報量が多いということでもあり、その分JPGやTIFF画像に比べるとファイル容量が大きくなってしまうのです。
例えばFUJIFILMのXT-2で撮影した2400万画素の写真データの場合、FINEモードで記録すると、一枚約13MBのファイル容量になります。一方同じ写真でもRAWファイルになると、一枚約50MBになり、おおよそ4〜5倍ほどファイル容量が大きくなってしまいます。
いくら昔に比べてハードディスクの容量単位の価格が下がったとは言え、RAWで撮影し続けるということは、ファイルの保管場所は大きな問題になってくるのです。
● JPG(ファイン) 14MB
● RAW 50MB
写真を安全に保管するにはフォトストレージ
HDDなら容量を気にせず写真を保存できる
RAWで写真を撮影している人にとっては、消えてしまってはマズいファイルの筆頭にあるのが写真データかと思います。なので写真の保管には通常保存用のHDDの他にバックアップ用としてもう一台HDDを用意して保存するというのが常識でしょう。
HDDの価格は2019年8月時点で4TBで10,000円を切る程度の価格なので、いくらRAWファイルの容量が大きいと言っても、容量については結構な余裕をもって管理できるようになっているかと思います。
フォトストレージを利用するメリット
HDDは呼び出しの速さや大容量が魅力ですが、バックアップに関しては常に不安と背中合わせの状態になります。いくら複数のHDDに保管していても、壊れてしまったり、災害などが遭った場合のことを考えると、本当は別の場所でも保管しておいた方が良いのです。
実際問題で僕自身8TBのHDDにいろいろと必要なファイルをバックアップしていたのですが、ある日突然読み込まなくなってしまい全てのデーターを失うことになりました。幸い他にもバックアップを取っていたので最悪の事態は避けられましたがHDDの場合にはいつもこのようなリスクとは隣り合わせになります。
そんなわけで、さらなるバックアップ対策としてオンラインストレージで写真を保管すのが良いということになります。
フォトストレージと言えばGoogle フォトやAppleのi Cloud、Amazon Photosなどがあり、これらのサービスを使用して写真を保管している人も多いのではないかと思います。
フォトストレージを利用するメリット
細かいことを言えばそれぞれのサービスごとに様々な特徴がありますが、フォトストレージサービスを利用する基本的なメリットは、だいたい下記になるかと思います。
● 異なるデバイスで共有できる
● 外部からもアクセスできる
● 自動的にアップロードしてバックアップできる
● ファイルのバックアップとして安心
一番大きなメリットはやはり、データ保管の安全性かと思います。HDDはある日突然壊れることもありますし、データを救出できないとなると、全ての思い出を諦めるしかありません。データの救済もできる場合もありますが、その費用はものすごく高いですし、全てが残っているわけではありません。
オンラインストレージでも事故が起きると消失してしまう可能性はあるので絶対に事故がないと保証されるわけではありませんが、少なくとも自宅でHDDだけで保管をすることと比較すればオンラインストレージでの保管が加われば安全性は段違いで高くなると思われます。
絶対に写真を消失したくない人にとってオンラインストレージを使用して写真を保管するということは必須とも言えるでしょう。
もはやオンラインストレージを利用するかどうかではなく、どこのオンラインストレージを利用するかを検討する時代になっているのです。
フォトストレージサービス
写真を保存できるフォトストレージサービスは沢山あります。ざっと調べただけでも下記のフォトストレージサービスが見つかりました。
ファイルなどを保管するDropBoxなどのオンラインストレージを含めるともっと沢山のサービスが見つかるかと思いますが、下記は写真に特化した、いわゆるフォトストレージサービスをピックアップしています。
● 30days Album(無料20GB)
● Googleフォト(容量無制限)
● Amazon Photos(容量無制限 Amazonプライム特典)
● iCloud(無料5GB)
● Fueru アルバム(容量無制限)
RAWファイルを保管するならAmazon Photos一択
上記のサービスで完全に容量無制限で無料で利用できるのはGoogleフォトとFueru アルバムの二択になります。
無料で利用できて容量無制限というのは非常に魅力的ですが、横とばかりではありません。
いずれもアップロード時に圧縮やリサイズされたりするなどの制限があるため、RAWで撮影したりする人が保管する場所としてはあまり適していないと思われます。
無料で利用できるサービスにそこまで求めてしまうのは流石に無理というもので、写真をできるだけオリジナルの状態で保存するためには、有料サービスを利用しなければいけません。
有料サービスもいくつかありますが、RAWで撮影しているような人にとってはAmazon Photosがダントツで優れたサービスなのです。
Amazon Photosの魅力
● jpgなどが圧縮されない
● オリジナルのサイズで保管される
● tiffやRAWなどのファイルも写真として保管できて容量無制限
最大のポイントとなるのがRAWファイルが保存できるという点。
全てのメーカーのRAWファイルに対応しているというわけではないのですが、Amazon Photos以外のサービスでは基本手にRAWファイルは写真扱いされないので、有料サービスであってもどんどん容量が大きくなってしまってすぐに上限に達してしまうのです。
その点、Amazon PhotoはRAWファイルであっても容量無制限で保存できるという素晴らしいサービスなのです。
Amazon PhotosはAmazonプライム会員の特典
Amazon Photosを利用するためには年会費4,900円(2019年8月現在)の有料サービスAmazonプライム会員にならないと利用できません。
御存知の通りAmazonプライム会員には様々な特典があり、AmazonミュージックやAmazonプライムビデオなど、特典単体だけでも年会費を払っても良いと思わせるくらいの充実した特典がありますから既にプライム会員になっている人も多いかと思います。
Amazonプライム会員であれば、Amazon Photosも利用した方が良いでしょうし、RAWで撮影しているような人であればなおさらです。むしろAmazon Photos目当てでAmazonプライム会員になっている人も多いのではないかと思います。
他サービスと比べるとAmazon Photosが圧倒的にお得
Amazon Photosが素晴らしいのは写真が圧縮されないでそのままのサイズで保管できる点、そしてtiffやRAWファイルも保管できるというところに尽きます。
例えばGoogleフォトなどのその他のフォトストレージサービスはRAWファイルは写真としては保管できないので、オンラインストレージの方にファイルを保管することになります。Googleで言えばGoogleドライブを利用するわけです。
Googleドライブは15GBまで無料で利用できますが、Googleフォトのように写真を便利に管理できるわけではないので写真の管理目的で利用するにはちょっと不便になります。
また、RAWで保存しようと思うと1枚が50MB程度もありますから、15GBだとわずか3000枚程度で一杯になってしまうので、RAWで撮影している人にとっては無料で使用できる容量はオマケ程度の容量しかありません。
もちろんGoogleドライブも有料プランがあるので、大量にファイルがある場合は有料プランを検討することになるかと思いますが2TBで年額13,000円程度になるので結構大きな金額になります。
iPhoneなどのアップル製品を使用している人はiCloudが便利ですが、Googleドライブと同様に有料プランは2TBで月額1,300円でGoogleドライブと横並びになっています。
2TBもあれば40000枚程度は保管できそうなので、写真だけを撮影する人であればそこそこ保管できるかなというくらいの容量にはなりますが、けして余裕のある容量ではないですし、動画などのファイルも保管することを考えると、すぐに埋まってしまう容量でもあります。
それに対してAmazon Photosはjpgと同じようにtiffやRAWファイルが容量無制限で保管できるという大きなアドバンテージがあります。
つまり、容量無制限のサービスをGoogleドライブやiCloudの半額以下の年額4,900円で利用できるということになり、しかもRAWファイルまでも容量無制限で保管できてしまうのですから、写真をRAWで保管したい人にとっては絶対的にAmazon Photosがお得になるのです。
動画の保管を考えてもAmazonがお得
写真を趣味にしていると、意外と動画も撮影するので動画ファイルもどんどん増え続けます。動画ファイルの保管はフォトストレージサービスが利用できないので、必然的にGoogleドライブやiCloudを利用することになります。
AmazonにもAmazon Driveというサービスがあり、プライム会員特典として5GBが無料で利用できるのですが、動画は写真以上にファイルが大きいので5GBでは全く足りませんから、動画まで保管をすることを考えるのであれば、追加で有料プランを検討する必要があります。
ここで少し気をつけたいのがAmazon Driveは1TBで年額13,000円なので、GoogleドライブやiCloudに比べると、同じ月額料金でも半分の容量しか使用できないという点です。
つまり、GoogleやAppleのサービスよりも割高になってしまうことになります
しかしAmazon PhotosにはRAWファイルが保存できます。
RAWファイルを保管していると1TBは簡単に使用してしまうので、例え1TBの差があったとしても簡単に逆転できてしまいます。
例えば僕のハードディスクには現在60,000枚を超える写真が保管されていて約3TBを使用しています。そのうち半分くらいがRAWファイルなので、それだけで1.5TBを使用しているわけですし、今後もどんどんその容量は増えていくわけですから2TBなんて写真だけでも簡単に埋め尽くしてしまうのです。
その点、Amazon PhotosでTiffやRAWファイルも無制限で保管できるので、Amazon Driveは動画ファイル専用のストレージとして使用することができます。動画だけであれば、Youtuberのように動画を撮りまくるような人でなければ1TBでも容量にはかなりの余裕がもてることになります。
つまり、写真をRAWデータメインで撮影する人にとっては、Amazon Driveの保存容量がGoogleドライブなどと比べて半分の1TBでも、実質の容量は多いと考えることができるのです。
オンラインストレージ利用料金
● Google ドライブ(月額1,300円/年額13,000円 / 2TB)
● iCloud (月額1,300円 / 2TB)
● Amazon Drive (年額13,800円 / 1TB) + Amazonプライム会員(年額4,900円)
RAW撮影にこだわる人のAmazon Photos
Amazon Photosの他にRAWファイルが保管できるフォトストレージサービスを探してみましたが、残念ながらRAWファイルに対応したフォトストレージサービスはAmazon Potos以外に見つけることができませんでした。(2019年2月現在)
もちろん、オンラインストレージを利用すればファイル自体は保存できるのでバックアップをとるということだけを考えればAmazon Photosじゃなくても問題はありませんが、写真の管理を考えるのであればAmazon Photosの方が断然便利です。
写真のファイルは一枚一枚が大した容量でなくても全て合わせれば膨大な数になりますから、jpgもtiffもRAWファイルも全て一緒に管理できた方が良いですよね。
そんなわけでRAWファイルで写真を撮る人がフォトストレージを検討するならAmazon Photos一択で決まりということになります。
もちろん不満点が無いわけではありませんが、現状でRAWファイルが容量無制限で保管できるサービスはありませんし、その点だけでも非常に有り難いと思いながら使用できています。