カメラを乗せるための機材と言えば雲台。
カメラを三脚に直付けすることももちろん出来ますが、直付けの場合はカメラが固定されてしまって角度や方向を変えるのにもいちいち大変になります。
その問題を解決する機材として雲台があり、雲台を使用すれば、カメラの角度や方向を簡単に変えることが出来るようになり、快適に撮影をおこなえるようになります。
さて、雲台と言ってもいろいろな種類があります。
代表的な雲台として2Way雲台とか3Way雲台などがあるわけですが、どんなものかと言えば、文字通り2通り、3通りの使用方法ができるというものです。
しかし「何がどう2Wayなのか?」あるいは「3Wayって何なのか?」という素朴な疑問を持つ人も多いと思うので、2Way雲台、3Way雲台についてまとめてみたいと思います。
1Way雲台
一方向にだけ動かせる雲台です。
例として上下方向(TILT UP、TILT DOWN)に動かせるイメージを掲載していますが、上下方向は固定で横回転(パンニング)できる雲台も1Way雲台になると思います。
一般的なカメラ用の雲台としてはあまり見かけない雲台で、一脚用のビデオ雲台やGoProマウントなどが1Way雲台になるでしょうか。
2Way雲台
2方向に動かせる雲台です。
2Way雲台としては、上下方向の動きに加えて、ボトム部分にパンニングの機構が備わっていてカメラを横方向に回転させることができるような雲台が一般的です。
動画撮影で使用されるビデオ雲台や、野鳥や飛行機などの動き物の撮影で使用されることが多いジンバル雲台などは2Way雲台の仲間になるかと思います。
3Way雲台
3方向に動かせる雲台です。
3Way雲台は、上下方向と左右方向への回転に加えてカメラを縦横回転させられて横位置、縦位置で撮影できる雲台を指すことが多いと思います。
Photo via:https://amzn.to/34K4W3v
マンフロットの3Way雲台 X-PROあたりが有名で、いずれも独特な形状をしていて大きいのが特徴です。
4Way雲台
3Way雲台までがオリジナルの製品として販売されている雲台としては一般的かと思いますが、組み合わせによっては4Way以上の雲台も実現することができます。
例えば上記の4Wayのイメージだと、上下の動き、左右の回転の動き、縦横の回転の動きに加えて、もう一つ、クランプ部分で左右の回転をさせられるようにしたもので4Wayと考えることができます。
そんなわけで、個人的にはArca SwissのD4やLeofotoのG4などのギア雲台も3Way雲台の仲間という認識ではありますが、考え方によっては4Wayなのだなと思います。
参考 → Leofoto G4レビュー
台座部分にパンニングが有るのに、わざわざクランプ部分にもパンニングが必要なのか疑問に思ったりもするかもしれませんが、クランプ部分で回転させられると、パノラマ撮影やカメラを左右に振りたい時など、水平を保ったまま回転しなければいけない撮影の場合にとても便利なのです。
実際に水平出しをしてみると理解しやすいのですが、不整地などで台座部分で水平を出そうと思うと三脚の足を微妙に伸縮させて調整をしなくてはいけません。
ところが、クランプ部分が回転してくれれば、台座部分の水平は適当で良くなり、素早くセットができるようになります。
クランプ部分を変えれば後から4Way雲台にできる
クランプ部分にパンニング機能が無い3Way雲台でも、後からクランプをパンニング機能付きのクランプに変更することで4Way雲台にすることができます。
5Way雲台
上記の4wayに前後の動きを加えることで5Wayと考えることができます。
前後に調整するためには、スライドプレートやマクロスライダーと呼ばれるようなマクロ撮影に使用されるプレートを使用することで実現できます。
一般の撮影ではあまり必要ありませんが、マクロ撮影などは少しのカメラの動きでも画角の印象が変わりますし、全体にフォーカスを合わせるためのフォーカススタックでの撮影では、このように前後に少しずつ動かせるようにする必要があります。
6Way雲台
上記の5Wayに左右の動きを加えることで6Wayと考えることができます。
Photo via:https://leofoto.com/products_detail.php?id=355
マクロスライダーをクロスした状態で重ねて使用することで前後左右の動きを加える実現することができます。
自由雲台
自由雲台は動きに制限のある2Wayや3Wayの雲台に対して上下左右などの動きの制限なしに自由に角度や向きを調整できる雲台のことを指します。
非常に便利なシステムなので使用している人も多く、また製品も多いので、現状では一般的な雲台と言えば自由雲台のことを指すと思います。
まとめ
記事中では6Wayまでまとめてみましたが、実際のところで普通の雲台を購入すれば、多くの場合で2Wayと3Wayの雲台で、4Way以上は、パンニングクランプやスライドプレートなど、後付できるパーツを組み合わせることで多方向への動きを実現させるというのが一般的だと思います。
雲台を積み重ねると、なんとなく本格的な見た目になり、かっこよく見えるというのがありますが、実際のところで無闇に積み重ねても意味がないわけで、どのように動かすかを考えた上で、目的を叶えるような構成で積み上げるのが良いでしょう。
また、上記の動きの他に上下の動きもあります。
上下の動きは一般的にはエレベーターと呼ばれるセンターポールで調整するか、三脚の高さを調整するという方法がとられるので、上下の動きを実現させるための機材はあまりないというのが実際のところかと思います。
いろいろ探してみた結果、WISTAというメーカーが製造している「6Way アジャスター」が上下調整ができるものとしてあるようで、これをカウントすれば7Wayまではいける感じになりそうですね。
参考 → WISTA 6Way アジャスター